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月刊石材 12月号
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■いま注目の企業ルポ■

「まちの石屋さん」の親しみ。家族と一緒に考えるお墓づくり

三和石材店(熊本市西区)

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「誰でも気軽に立ち寄れるような“まちの小さな石屋さん”が理想です。
地域に根づいて、一軒一軒のお客様を大切に考え、ご家族と一緒にお墓をつくっていきたい。そうすれば、お墓参りが疎かにならずに、お墓も代々受け継がれるはず。そのためにもお客様の思いをお墓として残していくことが、自分の仕事と考えています」

 三和石材店代表の川野祐樹さんは話す。三十二歳のときに熊本市西区に店を構えて五年。創業・年齢ともにお若いが、お墓づくり、お客様に対する思いは強い。もともと大分県出身で、十八歳から地元の石材店で修業を開始。その後、熊本の大手石材店(二社)でも勤務し、当地で開業した。約二十年この仕事を続けてきた中で、「石屋として、自分なりの目標が見つかった」と川野さん。それが「まちの石屋として親しまれ、家族と一緒に考えるお墓づくり」である。

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 後発店であるので当然、創業からの五年間を振り返ると厳しかった。奥様の実家を建て替えて、その旧居を事務所兼自宅として譲り受けたが、展示品を置く余裕はなかった。お客様の中には「いまどき展示場もないの?」という方もいる。でも、川野さんの考えは違う。

 「例えば『○○型』とデザインを決めて、建売住宅・カタログ販売的な営業はしたくないんです。いまは基本的に、すべてのお客様にオリジナルデザインを勧めています。もちろんベースになるデザインはCAD図面等で提案します。でも『それを自宅に持ち帰り、ご家族みんなで相談してください』と話しています」

 展示場を設け、展示品を置くことは先行投資になり、それだけのコストもかかってくる・それはどこに転嫁されるのか。「当社で考えれば、良いものをお求めやすい価格で提供することが難しくなる」と川野さん。それよりも、この五年間で建立実績もできてきた。実際の建立例として、墓石のデザイン、しっかりとした施工を見ていただくほうが説得力がある。

 「理想は、例えば小さなお孫さんでも『おじいちゃんのお墓参り行こう』というお墓づくりです。そのために大切なのは、展示品・既製品を勧めることではなく、お客様に考えていただくこと。私はそのお手伝いをさせていただくという考え方です」 
いくら高額なお墓を建てても、建立後に全然お参りされていない状況を見ると、「寂しくなる」と話す石材店は多い。だから、最終的にはお墓の価値ではなく、先祖供養という意味からも、「どれだけお参りされているか」という話になる。川野さんも自身の経験から、そのことを十分に理解している。

 「海辺の墓地に、しかも水の吸いやすい石で建てたお墓でも、漁師の家のおばあちゃんが週に何度もお参りしていて、何年経ってもきれいなままで立っているお墓があります。そいういう、故人や先祖に対する感謝をいつまでも忘れないようなお墓をつくれたら、私としてもうれしいですね」

 同社のお墓づくりは当然、手間も、時間もかかる。CAD図面は取引のある商社に依頼するが、それでも多いときには五回、六回とお客様宅に足を運び、打ち合わせを重ねる。オリジナルデザインといっても、それがお墓としてふさわしいものなのか、加工に無理が生じないかなどの観点からアドバイスもする。そうして完成したお墓には、お客様自身が「お墓をつくった」という実感を持てる。それが墓参の頻度にもつながり、そのお墓の本当の価値になる。

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 「最近は紹介のお客様も増えてきました。本当にありがたいことです」と川野さん。営業としてはホームページでの情報発信のほか、新聞折込チラシも打つが、川野さん自身も積極的に地元のサークル活動などに参加し、横のつながりを広めている。「妻には『熱しやすく、冷めやすい』なんていわれるんですよ」と笑顔で話すが、スポーツや趣味の交流からお墓の相談を受けることもある。地道でありながら、エネルギーも要する努力であろう。

 また、お盆や正月の前には県内を対象に、これまでに建立したお墓の点検・清掃も行っている。年配のお客様には事前に電話連絡し、墓参を希望されれば、一緒に墓地までお連れするという配慮も忘れない。熊本では彫刻部分に金箔を入れるが一般的だが、金箔や目地に不具合があれば無料で補修。清掃は石塔だけでなく、外柵も含めた全体に及ぶ。現在、主に施工専門のスタッフを六名抱えるが、川野さん、奥様、スタッフが手分けして、一週間ほどかけてすべての作業を完了する。これも紹介を生む取り組みであろう。


 「営業担当は私だけです。自分でお客様の話を聞いて、設計・字彫り・建立工事まで携わるので、お客様と同じようにそのお墓に対する思い入れが強くなりますね」と川野さん。字彫りは現場彫りも可能で、金箔施工も自身で手がける。つまり同社におけるお墓づくりのすべてにかかわるが、「確かに大変ですが、それよりも楽しさのほうが大きい」という。「この楽しさを忘れてしまったら、自分の理想とはかけ離れてしまう。」
もちろん、納骨のお手伝いも欠かせない。特に近年は小型化が進んできたという熊本のお墓であるが、それでも石の使用量から見ると、平均で五十切前後になり、他地域に比べれば大きい。ほとんどが地上式・扉付きの納骨室(カロート)になるが、古いものでは地下式・フタ付きの納骨室で女性や年配者には力仕事となる。だから追加彫りの依頼でも、必ず「納骨もお手伝いします」と声をかけているという。

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 参考までに、熊本での一般的な納骨までの流れを紹介すると、「まず通夜・葬儀・火葬と続き、四十九日に納骨する例が多い」と川野さん。お墓のサイズにもよるが、同社では間口一八〇〇mmの納骨室であれば、内部に二段の棚板を設え、そこに七寸の骨壷を納め、全部で十五柱ほど納骨できるという。基礎には必ずコンクリートを打つが、一部に土を残しておいて、五十回忌が済んだお骨を骨壷から出して、さらしで包んで、土に還す。納骨室の天板はスラブ(一枚岩)でつくり、扉には花などの象嵌を施すのが同社のスタイルで、人気だ。

 「ただ近年は、納骨堂のニーズが増えてきています。鹿児島で始まったといわれますが、熊本にも波及してきています」と川野さん。もともと共同墓地にもコンクリート製の集合墓(納骨堂)を設置することもあり、「石材店としては危機感を感じています。納骨堂に代わるようなお墓をつくれえばと考えているところです」ともいう。一方で、「来年四月からの消費税に伴う見積もり依頼も徐々に増えています」ともいい、これから春にかけてはさらに忙しくなりそうだ。

 最後に今後の展望を聞くと、「デジタル化が進む社会で、若い世代にお墓の意味や大切さを伝えるためには、私自身もデジタル的な分野への挑戦が必要になるかなと考えています。その方法は検討中で、賛否両論あるかもしれませんが、結果的にはお墓の大切さを伝えるための手段です」と川野さん。その若さと機動力を生かした活躍にも注目したい。

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